古美術 三坂堂　online shop

冠を戴き、袍をまとい、両手を胸前に掲げて構える端正な姿の小ぶりな男神像です。両手の先端部は欠損しており、当初の手の形状および持物は不明ながら堂々たる威儀がうかがえます。
面部は擦耗により細部を失っておりますが、表情のニュアンスは確認でき、当初の神気を偲ばせます。ほぼ剥がれておりますが部分的に彩色も残っております。
材質は目の詰んだ堅質の木材で、檜などの針葉樹ではなく、楠材に近いものと考えられます。背面には墨書があり、「元禄十・・・・」と年号らしき記載が認められますが、本像の制作自体はそれ以前の時代に遡るでしょう。
作風・用材・技法などから、鎌倉〜室町期の制作と推定します。欠損部、虫食い、彩色の剥落、すれなど時代相応の懸念変化がございますので充分画像にてご確認下さい。


縦　6.5　横　11　高さ　15.5（cm）