油指花入 曲斎造

  • 48,000円(税込)
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奈良の指物師・坂本曲斎による、竹製の油指花入です。
素朴な素材と簡潔な作りでありながら、姿にはどこか優美さがあり、静かに人を惹きつける花器です。
本品の原型となったのは、古作の春日大社の油注とされるものです。これらは古くから仏教美術蒐集家の間で憧れの対象とされてきました。秦秀雄著『野花を生ける』には、藤原・鎌倉期の作が世に六、七本ほど出たことが知られていると記されていますが、実物を目にする機会はきわめて稀です。私自身も、古作については美術館や書籍で拝見するのみで、市場で目にしたことはございません。春日社の焼印を有する後世の写しを、かつて春日大社とご縁のある方より拝見したことはございますが、それも一度きりでした。
本品はそれらとは異なり、持ち手の部分に枝ではなく別材を用いており、そこに指物師である曲斎ならではの解釈と工夫がうかがえます。一方で、全体の造形は原型を尊重したものであり、その佇まいには古作を想起させる趣が感じられます。
曲斎による同手の花器は、本品を含めてもこれまで二度ほどしか目にしておらず、制作数は限られていたものと思われます。細かな傷などはございますが状態は概ね良好。供箱。昭和期の作です。

縦  5横 14 高さ 39(cm)