八幡神を中央に織り出し、軸装とした小品の三社託宣。初見では八幡神単独の図様にも見えますが、箱書に「三社御託宣」とあり、仔細に見ると上部に漢数字の「三」を認めることから、岩清水八幡を中心として簡略に構成された託宣図、もしくは八幡三神を表現したのではないでしょうか。
繍仏や綴織によって尊像を表した作例は古くより伝わりますが、この種の信仰裂が民間伝来のまま今日に残る例は決して多くありません。本作は小ぶりながら保存状態も良好。個人礼拝のために誂えられたものと思います。
どこかユーモラスさを帯びた八幡神の姿には、素朴な信仰と同時に、当時の人々の美意識や祈りの距離感までも感じさせます。箱有。江戸時代。
本紙 縦 20 横 9.5、 全体 縦 51 横 17(cm)





