菩薩腕残欠

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差し込み式の両腕を備えた木彫菩薩像の残欠です。形式は鎌倉時代の金銅仏にも通じるもので、現状では肩から手首までを残し、手先は両腕とも失われています。
木口を観察すると切断されたものと思われる痕跡が見られ、何らかの事情により現在の姿となったことがうかがえます。一方で、用いられた材は木目の緻密な良材で、量感豊かに、しかも極めて丁寧に彫り上げられており、本来は格調の高い像であったことを想像させます。
あくまで一つの見解ではありますが、その造形には木彫仏というよりも金銅仏の作例に通じる趣が感じられ、金銅仏制作のための雛形として彫られた可能性も考えられます。もちろん断定はできませんが、その点も本品の興味深い見どころの一つといえるでしょう。
制作年代は中世まで遡るものと考えられ、失われた部分を補って余りある造形の質と資料性を備えた魅力ある残欠です。

縦 5 横 2 高さ 24、 縦 3.5 横 2.5 高さ 12(cm)