番匠秘傳之巻物

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番匠とは、中世の日本において、寺院や城郭をはじめとする木造建築に携わった職人たちを指し、今日の大工の前身ともいえる存在です。彼らは単に建物を造る技術を担っただけではなく、工事の安全や建物の安泰を願い、さまざまな祭祀・祭礼の作法や儀法を受け継いできたとされています。この巻物を眺めていると、建築と信仰とが今よりもはるかに密接に結びついていた時代の面影が感じられます。建物を築くという行為そのものに、神仏への祈りや災いを避ける願いが込められていたことを思うと、当時の人々の精神性を知るうえでも興味深い資料です。保存状態は決して良好とはいえませんが、それもまた長い年月を経てきた資料ならではの趣として味わえます。描かれた内容を追いながら、かつての建築と信仰の世界に思いを馳せることのできる、趣深い一巻です。江戸時代。


幅 28.5(cm)